社会福祉学科 / 社会的・文化的に生きる「人間の尊厳」を研究しこれからの福祉社会のデザインを描く

鏑木 奈津子准教授

研究分野社会福祉学

教員プロフィール

主な大学院担当科目

これまで指導した主な研究

これから入学したい方へのメッセージ

社会福祉学専攻に興味を持っていただき、ありがとうございます。 みなさんが大学院への進学を検討している理由は何でしょう。 社会(福祉)をより良くしていきたいという気持ちや、場合によっては現状に対する矛盾やもどかしさ、憤りを抱いているからではないでしょうか。これらは、私は研究者にとって大切な感情だと思っています。

さて、皆さんのそのような感情は、制度や社会の前進に伴って、自然に解消あるいは軽減することがあります。わずか15年程前まで、「成熟した日本社会に生活困窮者はいないのではないか」との意見も聞かれ、そのために一部の人に支援が届きにくい状況がありました。しかし、現在、日本社会の貧困に対するリテラシーは向上し、そのような意見はあまり聞かれなくなりました。そのような、社会の前向きな変化に向けて、社会福祉学は寄与しなければなりませんし、そのために大学院では基本的な研究法を学ぶことはもちろんのこと、思考訓練を重ね研究に対する姿勢・向き合い方を学びます。

もちろん、今でも課題は山積しています。しかし、当時、私が抱いた違和感と憤りは、社会情勢の変化や新たな制度の創設等により、一定程度解消しています。(もちろん、矛盾が消えることはありません。)。

そこで、研究を続けるもうひとつの理由は、知的な「おもしろさ」です。徹底的に調べ上げられた熱のこもった論文と出会った時の高揚感や、学問を深め考え抜くなかで、ふと、点と点が結ばれ線になる瞬間の感動は、研究に誠実に向き合い、考え抜くことをしたときにしか味わえない格別なものです。

今、矛盾や疑問を抱き、それを研究を通じてより良くしていきたいと願っている皆さん。そして、学問と誠実に向き合う覚悟をもった皆さん。知的な営みを通じた「おもしろさ」を味わいに大学院にきてみませんか。