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- 植田 今日子
総合人間科学部社会学科の植田 今日子先生が、2月11日に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
総合人間科学部 社会学科 教授
植田 今日子 (ウエダ キョウコ)
ueda kyoko
E-mail:uedakyoko@sophia.ac.jp
主な授業担当科目・現在の専門分野
環境と民俗、地域社会学、社会調査方法論 II 、演習、環境社会学、民俗学、生活史
最近の研究分野・テーマ等
〈災い〉と〈生活の糧〉をもたらす両義的な自然への適応過程についての研究
災害常習地に伝わる、災いへの備えや警戒の間世代的伝承・継承についての考察
架橋を境に離島をやめたシマ社会の変動についての研究
「一回性」の災害と「常習的」災害の伝承・継承のあり方についての研究
経歴に関する項目(学歴・職歴・受賞歴等)
2008年 筑波大学大学院 人文社会科学研究科 博士課程修了[博士(社会学)]
2010年 東北学院大学 専任講師
2013年 東北学院大学 准教授
日本村落研究学会奨励賞受賞(論文の部・2009年)、関西社会学会優秀報告賞受賞(2007年)
教育・研究活動、社会貢献・その他の社会的活動
フィールドワーク(質的調査)を通して地域社会が自治を図ろうと展開する戦略や、危機的状況において発揮する創意工夫について考察してきた。ダムの水没予定地となった村(熊本県)や、地震や津波被害、原発事故に遭った山村、漁村(新潟県旧山古志村、宮城県唐桑町、福島県飯舘村、葛尾村、川内村)など、半強制的に移住を強いられた集落で調査を行ってきた。
島嶼地域における自治の可能性についても、離島の小社会に橋がかけられたことで生じた変化や、帰属する国家を変えた局面に注目して沖縄で調査研究を行っている。
主な著書・論文・調査研究報告等
単著(2016) 『存続の岐路に立つむら』 昭和堂
分担執筆(2016) 『災害文化の継承と創造』 臨川書店
編著(2015) 『災害と村落』 農山漁村文化協会
分担執筆(2013) 『途絶する交通、孤立する地域』 東北大学出版会
共編(2013) 『更地の向こう側-解散する集落「宿」の記憶地図』 かもがわ出版
所属学会
日本社会学会、文化人類学会、日本村落研究学会、環境社会学会他
研究・教育方針(研究指導・演習の特色等)モットー
社会学は他者に出会い、ゴールのない「旅」をつづけるためのコンパスだと思っています。旅といっても余暇としての旅行とは随分と違って、リラックス感に満ちたものではないのですが。それは他者の痛覚との出会いを導くからかもしれません。社会学はいつも「問題」を問うことから始まるからです。明白に深刻な事柄だけが問題ではありません。むしろまだ言葉になっていない、名前のない問題を、現場の人たちに学びながら見出していく過程が「旅」です。そしてその克服を図ろうとする人たちの営みから、多彩な幸福のあり方を知ることができるのが醍醐味です。
学生に一言(教員からのメッセージ)
大冒険は近所でもできます。名前しか知らない場所、聞いたことがあるだけの職業、会ったことのない人たちは、すぐそばに存在しているはずです。多くの異文化に直に触れてみて下さい。